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ArtTune感性ブログ|秋の光をめぐる6つの景色――唐津でひらく、感覚の余白

  • 執筆者の写真: 一平 大竹
    一平 大竹
  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 4分

更新日:20 時間前


秋の唐津を訪れた数日間、

そこには“特別”で“ふつう”の日常が待っていました。


器の輪郭に落ちる光、

足元に重なる落ち葉の音、

ふと立ち止まったときにひらく影。


そんな小さな気配が、

いつの間にか心の奥のほうを、静かに調律していく。


これは、唐津で出会った6つの景色を通して綴る、

感覚の記録です。


ArtTune / MtipCreative



Day 1|器 × テラス × 秋の光


“唐津やきもん祭り”の始まり。


唐津の海辺から急な山道を車で20分、

集落にたたずむ唐津焼の工房が岸田匡啓さんの鳥巣窯です。


鳥巣窯周辺の山の土、登り窯の火、そしてここまでの時間をまとった器たち。

秋の静かな光が差し込むテラスで、その輪郭は影となって、ゆっくりとのびていきます。


音のない午後の、静かな光と影。

“静かな音”をまとった焼物を前に、

ここから「感性と向き合う時間」が、

そっと始まっていくのを感じました。


唐津の旅は、

そんな気配とともに、静かに幕を開けます。


Clay, light, and shadow.

A quiet moment, where the senses begin to open.


ArtTune_Day1.torisugama1
鳥巣窯のテラスにて


Day 2|器 × 枝物 × 光


秋の終わりの小さなお祭り、唐津やきもん祭り。

工房からは、集まった小さな子どもたちの声も聞こえてきます。


和やかな空気に包まれテラスにでると、

楽し気な笑い声を背に、

枝先の赤い実、器の質感が揺れていました。


器に落ちる、やわらかな影。

ただそれだけの光景から、

工房や山、この小さな集落の気配、

つくり手の思いまでもが、

波のようにひろがっていきます。


視線はふと山へ向かい、また器へ。

それだけで、見える世界はまったく変わる──。


ささやかで穏やかな体験が、

旅をゆっくりと深くしていきます。


A branch, a bowl, a soft shadow—

and the world shifts with one small gaze.


ArtTune_Day2.karatsuyaki
唐津焼と秋の実


Day 3|紅葉の小径


鳥巣窯を少し離れて、

山の上のため池を囲む、小さな森へ。


一歩踏み出すと、

足音が落ち葉に吸い込まれる。

たった一歩で、空気の密度がふっと変わる。


落ち葉の音、こぼれる夕方の光、木々の影。

秋のすべてが重なり合う山の小径、

その小さな世界は “感性の調律” に満ちていました。


Leaves, light, and silence.

A path where the senses gently tune themselves.


ArtTune_Day3.torisu_komiti
落ち葉の小径


Day 4|影と自分


森の先にある、小さな広場。

夕方の光を受け、ふと振り返ると、

足元から、長い影がひらいていました。


なにも語らないのに、

「そこにいる自分」を映し出す“もう一人の自分”。


光と影のあいだ、静かに浮かぶ輪郭に

“今の自分は?”

そんな問いが、そっと聞こえるようでした。


A shadow at my feet.

A soft question: Who am I now?


ArtTune_Day4.kage
もう一人の自分


Day 5|みかん畑と里山


秋いっぱいの実りの風景、

空まで広がる秋を前に、呼吸が深く穏やかになる。


唐津の山あいを包む、柔らかな光。

赤い屋根、青い空、たわわな実をつけたみかんの木。


優しくて素朴、無口なのに、

その奥には、“静かな力”と豊穣が、ゆっくりと流れています。


いつもより視界が広がる時、

心の呼吸も、きっと大きく深くなる。

そんな感性のかけらを、秋の風景がそっと気づかせてくれます。


Harvest light, quiet strength.

The heart opens when the view widens.


ArtTune_Day5.mikanbatake
唐津の里山とみかん畑


Day 6|唐津焼と抹茶と、これからの時間


工房に戻り、言葉を交わす。

山、窯、人、鳥巣窯に流れる空気に身を委ねていると、

そっと置かれた、一杯の抹茶。


器のそばを風がそよぎ、影が揺れる。

旅の速度がふっとゆるむ、その瞬間。


またここから、まっすぐに漂っていける──。

旅の終わりに訪れたのは、

これからまた続いていく “永遠の瞬間” の始まりでした。


唐津で過ごした時間が、

ゆっくりと、“次の自分” につながっていきます。


Matcha, wind, and stillness.

The end of a trip becoming a beginning.


ArtTune_Day6.mattya
お菓子と一杯の抹茶


ArtTuneでは、

アートや風景、体験を通して、

「自分自身の感覚に静かに耳を澄ます時間」を大切にしています。


唐津で出会った“特別で、ふつう”の景色は、

その原点を、あらためて思い出させてくれました。

ArtTune感性ブログ by Mtip

文・写真:ArtTune / MtipCreative 



ArtTune by Mtipは、

アートを通じて感性を呼び覚まし、チーム力を高める企業研修プログラムです。 

唐津の里山で、忙しさのなかにこそ「感覚の余白」が組織に響く瞬間があると感じました。

→ 詳しくはこちら:https://mtip-arttune.com/


 
 
 

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